●女人
▲女人の心をば水に譬へたり。心よわくして水の如くなり。道理と思ふ事も男のこわき心に値ひぬればせかれてよしなき方へをもむく。又水にゑがくにとゞまらざるが如し。女人は不信を体とするゆへに、只今さあるべしと見る事も、又しばらくあればあらぬさまになるなり。(法華題目抄 359)
▲女人はみめかたちよ(美)ければ必ずねたまる、722
▲此の法華経計りに、此の経を持(たも)つ女人は一切の女人にす(過)ぎたるのみならず、一切の男子にこ(超)えたりとみへて候。757
▲信心のよは(弱)きものをば、法華経を持(たも)つ女人なれどもすつ(捨)るとみへて候。757
▲又三十三のやく(厄)は転じて三十三のさいは(幸)ひとならせ給ふべし。七難即滅七福即生とは是なり。年はわか(若)うなり、福はかさ(重)なり候ベし、757
▲今も昔も聖人も凡夫も人の中をたが(違)へること女人よりして起こりたる第一のあだにてはんべるなり。809
▲女人は夫(おとこ)を魂とす。夫なければ女人魂なし。896
▲女人は水のごとし、うつは(器)物にしたがう。女人は矢のごとし、弓につが(番)はさる。女人はふね(舟)のごとし、かぢ(楫)のまかするによるべし。しかるに女人はをとこ(夫)ぬす(盗)人なれば女人ぬす人となる。をとこ王なれば女人きさき(后)となる。をとこ善人なれば女人仏になる。今生のみならず、後生もをとこによるなり。(さじき女房御返事 建治三年五月二五日 五六歳
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▲女るひはいかなる失ありとも、一向に御けうくん(教訓)までもあるべからず。ましていさか(争)うことなかれ。涅槃経に云はく「罪極めて重しと雖も女人に及ぼさず」等云云、文の心はいかなる失ありとも女のとがををこなはざれ。此賢人なり、此仏弟子なりと申す文なり。(四条金吾殿御書 建治四年一月二五日 五七歳 1198