御法主日顕上人猊下お言葉 法華講連合会 夏季総登山お目通りの砌
昭和六十三年七月二十八日
於 総本山大書院
私の下におります僧侶の者達にも場合によって心掛けが不充分であるというような振る舞いがあれば、私は充分注意をいたします。
もし皆さん方に、これでは日蓮正宗の僧侶としてふさわしくないから御注意申し上げたいということがあるならば、遠慮なく注意をしていただきたいと思います。
ただし、それは人と相談して陰口を言いながら注意をするのではなく、自分一人で深く考え、その上できちっとした文書にして、あるいは口頭において、何人とも関係なく自分の真心をもって、その僧侶なら僧侶に注意をしていただきたい。
それに対して僧侶が、
「あなたはそう言うけれども、それはまだ一分の小さな見方である。
大聖人様の仏法のなかには、こういう立場もあり、さらにこういう立場もある。
その全体の上からいって、あなたはこれが絶対と思っておられるかも知れないけれども、それは間違いである」
ということを指摘されたならば、また、それで自分の納得がいけば、潔く自分の考えを捨てて、あくまで正理・正義ということを基準として考えていく。
しかし、僧侶のほうが悪ければ、あくまでこれは直していってもらわなければならない。
また、そのことが私の耳に入り、その僧侶が本当に悪ければ、私の立場からもその僧侶に注意をいたします。
これが本当の切磋琢磨であり、正法正義の正しい研鑚であると思います。