以下の資料により、いよいよ三大秘法抄が、日蓮大聖人御正筆御文であることの確度が大いに高まったと言える。

(伝)身延第二祖 佐渡阿闍梨日向上人筆

三大秘法禀承事(三大秘法抄)
弘安四年(1281)日蓮聖人著述 日向上人写


今回の宝物紹介は、身延山第二祖日向上人が書写したと伝わる「三大秘法禀承事(三大秘法抄)」です。

「三大秘法抄」は日蓮聖人が六十歳の時に、千葉の大檀越太田乗明氏に宛てて書かれたお手紙であると伝えられています。

「三大秘法」とは、末法の修行において大切な三つの教えのことで「本尊(久遠の本師釈迦牟尼仏」「題目(南無妙法蓮華経)」「戒壇(法華経を受持する場所)」のことを言います。

日蓮聖人の御真筆が伝わっていないことから、その成立や内容に諸論が存在しますが、かねてより身延山に十一世に日朝上人の写本、京都本法寺に日親上人の写本が伝わっていることが知られていました。

今回ご紹介しました日向上人筆と伝えられる写本は、これまで身延に秘蔵されていましたが、日向上人の七百遠忌法恩記念事業の一つとして、皆様の浄罪により無事修理が成されました。
現在宝物館で御覧いただけます。(みのぶ 第103巻 第11号)