●難
▲悪人無くして菩薩に留難(るなん)をなさずば、いかでか功徳をば増長せしめ候べき。(四恩抄 267)

▲今、日蓮は賢人にもあらず、まして聖人はおもひもよらず。天下第一の僻人にて候が、但(ただ)経文計りにはあひて候やう(様)なれば、大難来たり候へば、父母のいきかへらせ給ひて候よりも、にく(憎)きものヽことにあ(遭)ふよりもうれしく候なり。1123

▲人をよくな(成)すものはかたうど(方人)よりも強敵(ごうてき)が人をばよくなしけるなり。1063

▲此の経をき(聞)ヽう(受)くる人は多し。まことに聞き受くる如くに大難来たれども「憶持不忘(おくじふもう)」の人は希(まれ)なるなり。受くるはやす(易)く、持つはかた(難)し。さる間成仏は持つにあり。此の経を持たん人は難に値(あ)ふべしと心得て持つなり。(四条金吾殿御返事 文永一二年三月六日  五四歳 776

●十羅刹の試し
まこと(実)やらむ、いゑ(家)の内にわづら(煩)ひの候なるは、よも鬼神のそゐ(所作)には候はじ。十らせち(羅刹)女の、信心のぶんざい(分際)を御心みぞ候らむ。(上野殿御返事   建治四年二月二五日  五七歳 1206

▲諸の悪人は又善知識なり。584

▲大事には小瑞(しょうずい)なし、大悪をこ(興)れば大善きたる。(大悪大善御書 文永一二年  五四歳 796
 
▲難来たるを以て安楽と意得べきなり。 就註法華経口伝 上 1763

▲法華経を信ずる人は冬のごとし、冬は必ず春となる。いまだ昔よりき(聞)かずみ(見)ず、冬の秋とかへれる事を。いまだきかず、法華経を信ずる人の凡夫となる事を。(妙一尼御前御消息 建治元年五月  五四歳 832

▲設ひ所領をめされ、追ひ出だし給ふとも、十羅刹女(じゅうらせつにょ)の御計らひにてぞあるらむとふか(深)くたの(頼)ませ給ふべし。(四条金吾殿御返事  建治三年七月  五六歳 1162

▲彼等御勘気を蒙るの時、南無妙法蓮華経と唱へ奉ると云云。偏に只事に非ず。(聖人等御返事    弘安二年一〇月一七日  五八歳 1405

▲65それ故、本宗の信徒は、皆、この法華講衆を相続してまいるというのが、大聖人に対し奉り正しいあり方であります。(日蓮正宗第六十五世日淳上人御指南)