仏所護念会教団の関口徳高会長がお亡くなりになった。
まずは、心よりお悔やみ申し上げ、ご冥福をお祈り申し上げたい。
さて、関口師の逝去は、単なる、一宗教法人の代表の死にとどまらない。
その影響は、もっと大きい。
仏所護念会教団は、元来は霊友会から別れた教団で、日蓮・法華系の在家新宗教である。...
公称の信者数は百数十万人を数える巨大教団である。
そして、伊勢神宮の参拝を行うなど、日蓮・法華系の数有る新宗教団体の中では、保守・愛国的な宗教団体である。
そのため、英霊にこたえる会や日本会議の有力な参加団体であり、物心両面で下支えをしてきた。
いわゆる保守系の政治家にとっても強力な支持団体となっており、選挙の際には誠に心強い存在だった。
また、靖国神社への崇敬の念も篤く、拝殿の紫の幕や拝殿前の白木の鳥居も実は仏所護念会教団からの奉納である。
そのトップがお亡くなりになったのである。
仏所護念会教団は、しばらく服喪の期間となろう。
となれば、その間は、選挙の支援どころではなくなる。
さらに、いわゆる新興宗教団体に於いて、トップの代替わりは鬼門である。
これを機に、内部分裂してしまう場合も有るし、後継者によっては、先代のやり方から大きく変化し、場合によっては「コペルニクス的転換」になってしまうことも有る。
事実、保守政治運動の中核として長らく大活躍していた「生長の家」は、始祖・谷口雅春師の死後、娘婿の代で一切の選挙活動から撤退し、現在の孫の代になってからは脱原発・エコロジーの路線に舵をきった。
原宿・東郷神社の近所に在った「生長の家」の本部は取り壊されて、山梨県北杜市の山の中に移転してしまった。
だから、仏所護念会教団に於いても、世代交代によって、政治活動、選挙活動などの関わり方や進め方が変化する可能性が有る。
この影響は無視してはいけないし、無視は出来ないだろう。
ただ、仏所護念会教団は、「生長の家」のようなことには、多分ならないと思う。
関口徳高師の息子さんの徳一師は、先日、発売された別冊正論の靖国神社の本でインタビューに応じられていた。
その記事を読んだ感想としては、仏所護念会教団は、大きく路線を変更することはないと思われる。
しかしながら、小さな事柄は、何らかの変更が有り得ると思う。
仏所護念会教団からは、ちょっと目が離せなくなりそうだ。