(※不備に気付いた場合、↓以下の文章を修正する場合があります)
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● 次に 「未曾」 の意味について

私の知る限りでは以下の意味しか検索できませんでした。

他の用法があるのならば、その根拠となる解説と、歴史上に残る、例文を挙げていただけませんか?

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未曾 [副]

(過去において)…しなかった,…していない.

1(多く書き言葉に用い,動作・行為がまだ行なわれていない,状態がまだ存在していないことを示し;まだ)…していない,…でない.

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“不曾”と“未曾”

書面語では“不曾”や“未曾”が用いられる。
過去の否定は往々にして現在に至るまで行為や状態が発生していないことをいうので,過去からの継続を表す文になることが多い。
“不曾”は単純な過去の否定も表すが,“未曾”は「いまだかつて…ない」の意で,必ず過去から現在に至るまでの否定継続を表す。

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次に、妙法蓮華経 から 「未曾」 を全て検索してみました。
やはり 「未だ曾て」 云々 という意味しか発見できませんでした。

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次説方等。十二部経。摩訶般若。華厳海空。宣説菩薩。歴劫修行。而百千比丘。万億人天。無量衆生。得住須陀?。得斯陀含。得阿那含。得阿羅漢果。住辟支仏。因縁法中。善男子。以是義故。故知説同。而義別異。義異故。衆生解異。解異故。得法得果。得道亦異。是故善男子。自我得道。初起説法。至于今日。演説大乗。無量義経。未曾不説。苦空無常無我。非真非仮。非大非小。本来不生。今亦不滅。一相無相。法相法性。不来不去。而諸衆生。四相所遷。

次に方等十二部経、摩訶般若、華厳海空を説いて、菩薩の歴劫修行を宣説せしかども、而も百千の比丘、万億の人・天、無量の衆生、須陀?に住し、斯陀含を得、阿那含を得、阿羅漢果を得、辟支仏因縁の法の中に住することを得。善男子、是の義を以ての故に、故に知んぬ。説は同じけれども而も義は別異なり。義異なるが故に、衆生の解異なり。解異なるが故に、得法、得果、得道、亦異なり。
是の故に善男子、我道を得て初めて起って法を説きしより、今日、大乗無量義経を演説するに至るまで、末だ曾て苦空無常無我、非真非仮、非大非小、本来生ぜず、今亦滅せず、一相無相、法相法性、不来不去なり、而も諸の衆生四相に遷さるると説かざるにあらず。

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爾時舎利弗。知四衆心疑。自亦未了。而白仏言。世尊。何因何縁。慇懃称歎。諸仏第一方便。甚深微妙。難解之法。我自昔来。未曾従仏。聞如是説。今者四衆。咸皆有疑。唯願世尊。敷演斯事。世尊何故。慇懃称歎。甚深微妙。難解之法。

爾の時に舎利弗、四衆の心の疑を知り、自らも亦未だ了せずして、仏に白して言さく、
世尊、何の因、何の縁あってか、慇懃に諸仏第一の方便、甚深微妙難解の法を称歎したもう。我昔より来、未だ曾て仏に従って是の如き説を聞きたてまつらず。今者、四衆咸く皆疑有り。唯願わくは世尊、斯の事を敷演したまえ。
世尊何か故ぞ、慇懃に甚深微妙難解の法を称歎したもう。

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衆生心所念 種種所行道
若干諸欲性 先世善悪業
仏悉知是已 以諸縁譬喩
言辞方便力 令一切歓喜
或説修多羅 伽陀及本事
本生未曾有 亦説於因縁
譬喩并祗夜 優婆提舎経
鈍根楽小法 貪著於生死
於諸無量仏 不行深妙道
衆苦所悩乱 為是説涅槃
我設是方便 令得入仏慧
未曾説汝等 当得成仏道

衆生の心の所念 種種の所行の道
若干の諸の欲性 先世の善悪の業
仏悉く是を知ろしめし已って 諸の縁譬喩
言辞方便力を以て 一切をして歓喜せしめたもう
或は修多羅 伽陀及び本事
本生未曾有を説き 亦因縁
譬喩并びに祇夜 優婆提舎経を説きたもう
鈍根にして小法を楽い 生死に貪著し
諸の無量の仏に於て 深妙の道を行せずして
衆苦に悩乱せらる 是が為に涅槃を説きたもう
我是の方便を設けて 仏慧に入ることを得せしむ
未だ曾て汝等 当に仏道を成ずることを得べしと説かず

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所以未曾説 説時未至故
今正是其時 決定説大乗
我此九部法 随順衆生説
入大乗為本 以故説是経
有仏子心浄 柔軟亦利根
無量諸仏所 而行深妙道
為此諸仏子 説是大乗経
我記如是人 来世成仏道
以深心念仏 修持浄戒故
此等聞得仏 大喜充遍身
仏知彼心行 故為説大乗
声聞若菩薩 聞我所説法

未だ曾て説かざる所以は 説時未だ至らざるが故なり
今正しく是れ其の時なり 決定して大乗を説く
我か此の九部の法は 衆生に随順して説く
大乗に入るの本と為す 故を以て是の経を説く
仏子の心浄く 柔軟に亦利根にして
無量の諸仏の所にして 深妙の道を行ずる有り
此の諸の仏子の為に 是の大乗経を説く
我是の如き人 来世に仏道を成ぜんと記す
深心に仏を念じ 浄戒を修持するを以ての故に
此等仏を得べしと聞いて 大喜身に充遍す
仏彼の心行を知れり 故に為に大乗を説く
声聞若しは菩薩 我が所説の法を聞くこと

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若人信帰仏 如来不欺誑
亦無貪嫉意 断諸法中悪
故仏於十方 而独無所畏
我以相厳身 光明照世間
無量衆所尊 為説実相印
舎利弗当知 我本立誓願
欲令一切衆 如我等無異
如我昔所願 今者已満足
化一切衆生 皆令入仏道
若我遇衆生 尽教以仏道
無智者錯乱 迷惑不受教
我知此衆生 未曾修善本

若し人仏に信帰すれば 如来欺誑したまわず
亦貪嫉の意無し 諸法の中の悪を断じたまえり
故に仏十方に於て 独畏るる所無し
我相を以て身を厳り 光明世間を照す
無量の衆に尊まれて 為に実相の印を説く
舎利弗当に知るべし 我本誓願を立てて
一切の衆をして 我が如く等しくして異ること無からしめんと欲しき
我が昔の所願の如き 今者已に満足しぬ
一切衆生を化して 皆仏道に入らしむ
若し我衆生に遇えば 尽く教うるに仏道を以てす
無智の者は錯乱し 迷惑して教を受けず
我知んぬ此の衆生は 未だ曾て善本を修せず

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爾時諸天子。欲重宣此義。而説偈言
昔於波羅奈 転四諦法輪
分別説諸法 五衆之生滅
今復転最妙 無上大法輪
是法甚深奥 少有能信者
我等従昔来 数聞世尊説
未曾聞如是 深妙之上法
世尊説是法 我等皆随喜
大智舎利弗 今得受尊記
我等亦如是 必当得作仏
於一切世間 最尊無右上

爾の時に諸の天子、重ねて此の義を宣へんど欲して、偈を説いて言さく、
昔波羅奈に於て 四諦の法輪を転じ
分別して諸法 王衆の生滅を説き
今復最妙 無上の大法輪を転じたもう
是の法は甚だ深奥にして 能く信ずる者有ること少し
我等昔より来 数世尊の説を聞きたてまつるに
末だ曾て是の如き 深妙の上法を聞かず
世尊是の法を説きたもうに 我等皆随喜す
大智舎利弗 今尊記を受くることを得たり
我等亦是の如く 必ず当に作仏して
一切世間に於て 最尊にして上有ること無きことを得べし

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未曾念 外道典籍
如是之人 乃可為説
告舎利弗 我説是相
求仏道者 窮劫不尽
如是等人 則能信解
汝当為説 妙法華経

未だ曾て 外道の典籍を念せじ
是の如きの人に 乃ち為に説くべし
舎利弗に告ぐ 我是の相にして
仏道を求むる者を説かんに 劫を窮むとも尽きじ
是の如き等の人は 則ち能く信解せん
汝当に為に 妙法華経を説くべし

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時貧窮子。遊諸聚落。経歴国邑。遂到其父。所止之城。父毎念子。与子離別。五十余年。而未曾向人。説如此事。但自思惟。心懐悔恨。自念老朽。多有財物。金銀珍宝。倉庫盈溢。
無有子息。一旦終没。財物散失。無所委付。是以慇懃。毎憶其子。復作是念。我若得子。委付財物。坦然快楽。無復憂慮。

時に貧窮の子、諸の聚落に遊び、国邑に経歴して、遂に其の父の所止の域に到りぬ。父毎に子を念う。子と離別して五十余年、而も未だ曾て、人に向って此の如きの事を説かず。但、自ら思惟して、心に悔恨を懐いて、自ら念わく、
老朽して多く財物有り。金銀珍宝、倉庫に盈溢すれども、子息有ること無し。一旦に終没しなば、財物散失して、委付する所無けん。
是を以て、慇懃に毎に其の子を憶う。復是の念を作さく、
我、若し子を得て、財物を委付せば、坦然快楽にして、復憂慮無けん。

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并及舎宅 一切財物
甚大歓喜 得未曾有
仏亦如是 知我楽小
未曾説言 汝等作仏
而説我等 得諸無漏
成就小乗 声聞弟子
仏勅我等 説最上道
修習此者 当得成仏
我承仏教 為大菩薩
以諸因縁 種種譬喩
若干言辞 説無上道
諸仏子等 従我聞法

并及に舎宅 一切の財物を獲たりと
甚だ大いに歓喜して 未曾有なることを得
仏も亦是の如し 我が小を楽うを知ろしめして
未だ曾て説いて 汝等作仏すべしと言わず
而も我等 諸の無漏を得て
小乗を成就する 声聞の弟子なりと説きたもう
仏我等に勅したまわく 最上の道
此を修習する者は 当に成仏することを得べしと説けと
我仏の教を承けて 大菩薩の為に
諸の因縁 種種の譬喩
若干の言辞を以て 無上道を説く
諸の仏子等 我に従って法を聞き

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爾時大通智勝如来。黙然許之。又諸比丘。東南方。五百万億国土。諸大梵王。各自見宮殿。光明照曜。昔所未有。歓喜踊躍。生希有心。即各相詣。共議此事。時彼衆中。有一大梵天王。名曰大悲。為諸梵衆。而説偈言
是事何因縁 而現如此相
我等諸宮殿 光明昔未有
為大徳天生 為仏出世間
未曾見此相 当共一心求
過千万億土 尋光共推之
多是仏出世 度脱苦衆生

爾の時に大通智勝如来、黙然として之を許したもう。
又諸の比丘、東南方五百万億の国土の、諸の大梵王、各自ら、宮殿の光明照曜して、昔より未だ有らざる所なるを見て、歓喜踊躍し、希有の心を生じて、即ち各相詣って、共に此の事を議す。時に彼の衆の中に、一りの大梵天王有り、名を大悲と曰う。諸の梵衆の為に、偈を説いて言わく、
是の事何の因縁あって 此の如き相を現ずる
我等が諸の宮殿 光明昔より未だ有らず
大徳の天の生ぜるとや為ん 仏の世間に出でたまえるとや為ん
未だ曾て此の相を見ず 当に共に一心に求むべし
千万億の土を過ぐとも 光を尋ねて共に之を推せん
多くは是れ仏の世に出でて 苦の衆生を度脱したもうならん

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昔所未有。歓喜踊躍。生希有心。即各相詣。共議此事。以何因縁。我等宮殿。有此光曜。而彼衆中。有一大梵天王。名曰妙法。為諸梵衆。而説偈言
我等諸官殿 光明甚威曜
此非無因縁 是相宜求之
過於百千劫 未曾見是相
為大徳天生 為仏出世間

昔より未だ有らざる所なるを見て、歓喜踊躍し、希有の心を生じて、即ち各相詣って、共に此の事を議す。
何の因縁を以て、我等が宮殿、此の光曜有る。
而も彼の衆の中に、一りの大梵天王有り、名を妙法と曰う。諸の梵衆の為に、偈を説いて言わく、
我等が諸の宮殿 光明甚だ威曜せり
此れ因縁無きに非じ 是の相宜しく之を求むべし
百千劫を過ぐれども 未だ曾て是の相を見ず
大徳の天の生ぜるとや為ん 仏の世間に出でたまえるとや為ん

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世尊甚難見 破諸煩悩者
過百三十劫 今乃得一見
諸飢渇衆生 以法雨充満
昔所未曾覩 無量智慧者
如優曇波羅 今日乃値遇
我等諸宮殿 蒙光故厳飾
世尊大慈悲 唯願垂納受
爾時諸梵天王。偈讃仏已。各作是言。唯願世尊。転於法輪。令一切世間。諸天。魔。梵。沙門。婆羅門。皆獲安穏。而得度脱。

世尊は甚だ見たてまつり難し 諸の煩悩を破したまえる者なり
百三十劫を過ぎて 今乃ち一び見たてまつることを得
諸の飢渇の衆生に 法雨を以て充満したもう
昔より未だ曾て覩ざる所の 無量の智慧者なり
優曇波羅の如くにして 今日乃ち値遇したてまつる
我等が諸の宮殿 光を蒙るが故に厳飾せり
世尊大慈悲をもって 唯願わくは納受を垂れたまえ
爾の時に諸の梵天王、偈をもって仏を讃め已って、各是の言を作さく、
唯願わくは世尊、法輪を転じて、一切世間の諸天、魔、梵、沙門、婆羅門をして、皆安穏なることを獲、而も度脱することを得せしめたまえと。

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爾時彼仏。受沙弥請。過二万劫已。乃於四衆之中。説是大乗経。名妙法蓮華。教菩薩法。仏所護念。説是経已。十六沙弥。為阿耨多羅三藐三菩提故。皆共受持。諷誦通利。説是経時。十六菩薩沙弥。皆悉信受。声聞衆中。亦有信解。其余衆生。千万億種。皆生疑惑。仏説是経。於八千劫。未曾休廃。説此経已。即入静室。住於禅定。八万四千劫。

爾の時に彼の仏、沙弥の請を受けて、二万劫を過ぎ己って、乃ち四衆の中に於て、是の大乗経の妙法蓮華・教菩薩法・仏所護念と名づくるを説きたもう。是の経を説き已って、十六の沙弥、阿耨多羅三藐三菩提の為の故に、皆共に受持し、諷誦、通利しき。
是の経を説きたまいし時、十六の菩薩沙弥、皆悉く信受す。声聞衆の中にも、亦信解する有り。其の余の衆生の、千万億種なるは、皆疑惑を生じき。仏、是の経を説きたもうこと、八千劫に於て、未だ曾て休廃したまわず。此の経を説き已って、即ち静室に入って、禅定に住したもうこと、八万四千劫なり。

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而時仏復告。薬王菩薩摩訶薩。我所説経典。無量千万億。已説。今説。当説。而於其中。此法華経。最為難信難解。薬王。此経是諸仏。秘要之蔵。不可分布。妄授与人。諸仏世尊。之所守護。従昔已来。未曾顕説。而此経者。如来現在。猶多怨嫉。況滅度後。

爾の時に仏、復、薬王菩薩摩訶薩に告げたまわく、
我が所説の経典、無量千万億にして、已に説き、今説き、当に説かん。而も其の中に於て、此の法華経、最も為れ難信難解なり。薬王、此の経は、是れ諸仏の秘要の蔵なり。分布して、妄りに人に授与すべからず。諸仏世尊の守護したもう所なり。昔より已来、未だ曾て顕説せず。而も此の経は、如来の現在すら、猶怨嫉多し。況んや滅度の後をや。

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智積菩薩言。我見釈迦如来。於無量劫。難行苦行。積功累徳。求菩薩道。未曾止息。観三千大千世界。乃至無有。如芥子許。非是菩薩。捨身命処。為衆生故。然後乃得。成菩提道。不信此女。於須臾頃。便成正覚。言論未訖。時龍王女。忽現於前。頭面礼敬。却住一面。以偈讃曰

智積菩薩の言わく、
我、釈迦如来を見たてまつるに、無量劫に於て、難行苦行し、功を積み徳を累ねて、菩薩の道を求むること、未だ曾て止息したまわず。三千大千世界を観るに、乃至芥子の如き許りも、是れ菩薩にして、身命を捨てたもう処に非ざること有ること無し。衆生の為の故なり。然して後に、乃ち菩提の道を成ずることを得たまえり。此の女の須臾の頃に於て、便ち正覚を成ずることを信せじ。
言論未だ訖らざるに時に、龍王の女、忽ちに前に現じて、頭面に礼敬し、却って一面に住して、偈を以て讃めて曰さく、

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無量千万億 大衆諸菩薩
昔所未曾見 願両足尊説
是従何所来 以何因縁集
巨身大神通 智慧?思議
其志念堅固 有大忍辱力
衆生所楽見 為従何所来
一一諸菩薩 所将諸眷属
其数無有量 如恒洞沙等
或有大菩薩 将六万恒沙
如是諸大衆 一心求仏道
是諸大師等 六万恒河沙
倶来供養仏 及護持是経
将五万恒沙 其数過於是

無量千万億の 大衆の諸の菩薩
昔より未だ曾て見ざる所なり 願わくは両足尊説きたまえ
是れ何れの所より来れる 何の因縁を以てか集れる
巨身にして大神通あり 智慧思議し?し
其の志念堅固にして 大忍辱力有り
衆生の見んと楽う所なり 為れ何れの所より来れる
一一の諸の菩薩の 所将の諸の眷属
其の数量り有ること無く 恒河沙等の如し
或は大菩薩の 六万恒沙を将いたる有り
是の如き諸の大衆 一心に仏道を求む
是の諸の大師等 六万恒河沙あり
倶に来って仏を供養し 及び是の経を護持す
五万恒沙を将いたる 其の数是に過ぎたり

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誰為其説法 教化而成就
従誰初発心 称揚何仏法
受持行誰経 修習何仏道
如是諸菩薩 神通大智力
四方地震裂 皆従中涌出
世尊我昔来 未曾見是事
願説其所従 国土之名号
我常遊諸国 未曾見是事
我於此衆中 乃不識一人
忽然従地出 願説其因縁
今此之大会 無量百千億
是諸菩薩等 皆欲知此事

誰か其の為に法を説き 教化して成就せる
誰に従って初めて発心し 何れの仏法を称揚し
誰れの経を受持し行じ 何れの仏道を修習せる
是の如き諸の菩薩 神通大智力あり
四方の地震裂して 皆中より涌出せり
世尊我昔より来 未だ曾て是の事を見ず
願わくは其の所従の 国土の名号を説きたまえ
我常に諸国に遊べども 未だ曾て是の事を見ず
我此の衆の中に於て 乃し一人をも識らず
忽然として地より出でたり 願わくは其の因縁を説きたまえ
今此の大会の 無量百千億なる
是の諸の菩薩等 皆此の事を知らんと欲す

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如斯之事。如来明見。無有錯謬。以諸衆生。有種種性。種種欲。種種行。種種憶想。分別故。欲令生諸善根。以若干因縁。譬喩言辞。種種説法。所作仏事。未曾暫廃。如是我成仏已来。甚大久遠。寿命無量。阿僧祇劫。常住不滅。諸善男子。我本行菩薩道。所成寿命。今猶未尽。復倍上数。然今非実滅度。而便唱言。当取滅度。如来以是方便。教化衆生。所以者何。若仏久住於世。薄徳之人。不種善根。貧窮下賎。貪著五欲。入於憶想。妄見網中。

斯の如きの事、如来明らかに見て、錯謬有ること無し。諸の衆生、種種の性、種種の欲、種種の行、種種の憶想、分別有るを以ての故に、諸の善根を生ぜしめんと欲して、若干の因縁、譬喩、言辞を以て、種種に法を説く。所作の仏事未だ曾て暫くも廃せず。
是の如く、我成仏してより已来、甚だ大いに久遠なり。寿命無量阿僧祇劫なり。常住にして滅せず。諸の善男子、我本菩薩の道を行じて、成ぜし所の寿命、今猶未だ尽きず。復上の数に倍せり。然るに今、実の滅度に非ざれども、而も便ち唱えて、当に滅度を取るべしと言う。
如来、是の方便を以て、衆生を教化す。所以は何ん。若し仏、久しく世に住せば、薄徳の人は善根を種えず。貧窮下賎にして、五欲に貪著し、憶想妄見の網の中に入りなん。

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又雨千種天衣。垂諸瓔珞。真珠瓔珞。摩尼珠瓔珞。如意珠瓔珞。遍於九方。衆宝香炉。焼無価香。自然周至。供養大会。一一仏上。有諸菩薩。執持幡蓋。次第而上。至于梵天。是諸菩薩。以妙音声。歌無量頌。讃歎諸仏。爾時弥勒善薩。従座而起。偏袒右肩。合掌向仏。而説偈言
仏説希有法 昔所未曾
世尊有大力 寿命不可量
無数諸仏子 聞世尊分別
説得法利者 歓喜充遍身

又、千種の天衣を雨らし、諸の瓔珞、真珠瓔珞、摩尼珠瓔珞、如意珠瓔珞を垂れて、九方に遍ぜり。衆宝の香炉に、無価の香を焼いて、自然に周く至って大会に供養す。一一の仏の上に、諸の菩薩有って、幡蓋を執持して、次第に上って梵天に至る。是の諸の菩薩、妙なる音声を以て、無量の頌を歌いて、諸仏を讃歎したてまつる。
爾の時に弥勒菩薩、座より起って、偏に右の肩を袒にし合掌し、仏に向いたてまつりて、偈を説いて言さく、
仏希有の法を説きたもう 昔より未だ曾て聞かざる所なり
世尊は大力有して 寿命量るべからず
無数の諸の仏子 世尊の分別して
法利を得る者を説きたもうを聞いて 歓喜身に充遍す

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次に、漢詩などからも検索してみましたが、やはり 「未だ曾て 〜〜でない。していない。」との意しか発見できませんでした。

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         寒 山
寒山と言う人物が実在したかどうかは、不明であるが、「寒山拾得詩」が中国宗元代の禅家や文化人の間に興った水墨画は多く禅ノ祖師像や禅機画、などが我が国に至っている、寒山と言う人物の名は、その分身である拾得とともい、古くから我が国の人々にも知られている。

寒山の伝説として最も早いものは、「寒山詩集」の?丘胤の序であって、彼は実際に寒山と拾得と豊干を知り、彼らの不思議な言行を自ら見聞した人として、伝記ふうに記載し詩集を編んだとも述べている。寒山の詩集は総数314首、配列の順序もマチマチである。

   詩集 其の一
一人好頭肝。   一人 好き頭肝
六芸尽皆通。   六芸 尽とく皆な通ず
南見趁向北。   南のかた見て北に向かいて趁われ
西見趁向東。   西のかた見て東に向かいて趁われる
長漂如汎萍。   長しえに漂ようて汎萍の如く
不息似飛蓬。   息こわざること飛蓬に似たり
問是何等色。   問う是れ 何等の色ぞ
姓貧名曰窮。   姓は貧 名は窮と曰う

   詩集 其の二
笑我田舎児。   笑れを我う 田舎児
頭頬底繋渋。   頭頬 底ぞ繋渋なる
巾子未曾高。   巾子 未だ曾て高からず
腰帯長時急。   腰帯 長時に急なりと
非是不及時。   是れ時に及ばざるに非らず
無銭趁不及。   銭なくして趁い及ばざるのみ
浮図頂上立。   浮図 頂上に立たん

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原文
戊辰作

出師未曾汚天兵
一死只期竹帛名
彈子飛行亂如雨
喜見壯士躍登城

訓読
戊辰の作

出師 未だ曾て天兵を汚さず
一死 只だ期す 竹帛の名
弾子 飛び行きて 乱るること雨の如し
喜び見る 壮士の躍りて城に登るを


戊辰の年の作

出兵以降、いまだ天子の軍隊の名を汚したことはない
のぞむことはただひとつ、死して歴史に名を刻むこと
弾丸が雨のように乱れ飛ぶなかで
我が軍の血気盛んな兵士がいさんで敵の城へ攻め入っていくのを喜んで見るのだ


戊辰:干支のひとつ。干支は十干と十二支の組み合わせで年や日にちをあらわす。ここでいう戊辰の年は1868年(慶應4年/明治元年)のこと。この年、鳥羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が開始される。板垣は戊辰戦争がおこると、迅衝隊総督として土佐藩兵を率いて高松・松山を無血で攻略して上洛、上洛後は東山道先鋒総督府参謀に任じられ東山道を進軍し、甲州勝沼の戦いで近藤勇率いる甲陽鎮撫隊を破り、さらに奥州へ進軍して会津若松城を攻略するなどの軍功をあげた。
出師:軍隊をくりだす
汚天兵:「天兵」は天子の軍隊。ここでは「天兵の名を汚す」の意にとったが、他の解釈もあり得るかもしれない。
竹帛:書物。紙の発明以前、竹の札や絹の布に文字を書いたことから。ここでは特に歴史書。
彈子:弾丸。
壮士:血気盛んな男

板垣退助は、自身で兵を率いて実際に戊辰戦争を戦っていたので、この詩には、木戸孝允の「戊辰作」や大久保利通の「戊辰作」にはない臨場感と高揚感があります。
なお、結句2字目は本来、平声であるべきなので、仄声の「見」でなく平声の「看」のほうがよいのではないかと思いますが、手元の本では「見」になっているので、それに従います。

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代耕は本より望みに非ず(陶淵明:雜詩其八

雜詩其八  代耕は本より望みに非ず

  代耕本非望  代耕は本より望みに非ず
  所業在田桑  業とする所は田桑に在り
  躬親未曾替  躬 親から未だ曾て替(おこ)たらざるに
  寒餒常糟糠  寒(こご)へ餒へて常に糟糠
  豈期過滿腹  豈に滿腹に過ぐるを期せんや
  但願飽粳糧  但だ願ふ粳糧に飽き
  御冬足大布  冬を御ぐに大布足り
  粗衣以應陽  粗衣 以て陽に應ぜんことを
  正爾不能得  正に爾るをすら得る能はず
  哀哉亦可傷  哀しい哉 亦傷む可し
  人皆盡獲宜  人皆盡く宜しきを獲たるに
  拙生失其方  拙生 其の方を失ふ
  理也可奈何  理也 奈何すべき
  且爲陶一觴  且く爲に一觴を陶(たの)しまん

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嗚呼吾兄修何學得何術而至此域耶古人讀萬巻書又為萬里之遊眞如吾兄所謂雖然吾兄未讀萬巻書也而其所作詩文未曾不得古人 之眞髄吾兄未為萬里遊也而所記詩文未曾不豪壮雄健都與大山高與江河長嗚

(嗚呼(ああ)、吾兄は何(いず)れの学を修め、何れの術を得てこの域に至しや。古人は、万巻の書を読み、また万里の遊(ゆう)を為せりと。 真(まこと)に吾兄の謂う所のごとし。然りといえども吾兄は未だ万巻の書を読まざるなり。しかもその作りしところの詩文はいまだ曾(かつ)ては古人の 眞髄を得ざるなり。吾兄は未だ嘗ては万里の遊を為さざるなり。しかも記すところの詩文、いまだかつて「豪壮勇健で泰山 のごとく高からず、江河のごとく長からず」ということなし。

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108 菅家後草〈叙意一百韻〉
 
                  参考:太宰府天満宮学業講社発行「菅家後草」
 
〈叙意一百韻〉 −  意を叙ノぶ一百韻イン
 
(一)
生涯無定地     生涯は定地無し
運命在皇天     運命は皇天に在り
職豈図西府     職は豈西府を図らんや
名何替左遷     名何ぞ左遷に替カハれる
貶降軽自芥     貶降ヘンカウせらるること芥アクタよりも軽く
駈放急如弦     駈放クハウせらるゝこと弦ゲンよりも急なり
典(立心偏+典)赧顔逾厚 典(立心偏+典)赧テンタンしては顔逾々イヨイヨ厚く
章狂踵不旋     章狂ショウキョウして踵クビス旋メグらさず
 
 この詩は、左降の宣旨を受けてから太宰府到着までの危険・心労・屈辱から、配所に充
てられた南館の荒廃と生活の不自由さ、左遷についての感想、太宰府官人の腐敗、老荘
を憧れる心境、配所で過ごした夏季と秋季とに於ける自然の景とそれへの感想、五十年
間の回顧等を、興奮と悲涙とで綴った、二百句から成る百韻の五言古詩であるが、余り
に長いので便宜十段に分けた。
 
 公は言う −
 人の一生の運命は不安定で、朝アシタ、夕を図られざるもの、それは一に天帝の思召のま
ゝに左右せられるものである。左遷せられて太宰権帥になるなどとは、夢にも思わぬと
ころであった。
 今、あの当時を回顧すると、塵芥チリアクタよりも軽々しくぽいと捨てられ、追い立てられ
るようにして京を放逐されたことではある。あまりの事にただ赤面し、慌てふためくば
かりであった。
 「典(立心偏+典)赧」は恥じ入って赤面すること。「章狂」は周章狂惑、慌てて取
り乱すこと。
 
(二)
牛岑(三水偏+岑)皆坎穽 牛岑(三水偏+岑)ギウシンは皆坎穽カンセイ
鳥路惣鷹亶(亶偏+鳥) 鳥路は惣て鷹亶(亶偏+鳥)ヨウセン
老僕長扶杖     老僕は長トコシへに杖に扶タスけられ
疲驂数費鞭     疲驂ヒサンは数々シバシバ鞭を費やす
臨岐腸易断     岐ギに臨んで腸断へ易く
望闕眼欲穿     闕ケツを望んで眼穿たんと欲す
落涙欺朝露     落涙は朝露を欺き
啼声乱杜鵑     啼声テイセイは杜鵑トケンを乱る
街衢塵羃々     街衢ガイク塵チリ羃々ベキベキ
原野草千(草冠+千)々 原野草千(草冠+千)々センセン
伝送蹄傷馬     伝デンには送る、蹄ヒヅメの傷める馬
江迎尾損船     江には迎ふ、尾ビの損ぜる船
郵亭余五十     郵亭イウテイ五十に余り
程里半三千     程里三千に半す
税駕南楼下     駕を税トく南楼の下
停車右郭辺     車を停トドむ右郭イウカクの辺
宛然開小閣     宛然エンゼンとして小閣を開き
覩者満遐阡     覩ミる者遐阡カセンに満つ
嘔吐胸猶逆     嘔吐オウトして胸猶ほ逆サカラひ
虚労脚且戀(病垂+戀) 虚労キョラウして脚アシ且マた戀(病垂+戀)ヤむ
肌膚争刻鏤     肌膚キフは争ふて刻鏤コクラウす
精魄幾磨研     精魄は幾ばくか磨研マケンせる
信宿常羇泊     信宿シンシュク常に羇泊キハク
低迷即倒懸     低迷して即ち倒懸タウケンす
村翁談往事     村翁ソンヲウは往事を談じ
客館忘留連     客館に留連リュウレンを忘る
妖害何由避     妖害エウガイは何ぞ避くるに由ヨシあらん
悪名遂欲蜀(益偏+蜀) 悪名は遂に蜀(益偏+蜀)ノゾかれんと欲す
未曾邪勝正     未だ曾カツて邪は正に勝たず
或以実帰権     或は実を以て権ゴンに帰す

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「閉戸閑詠」より 著者:河上肇
法然ここに基《もとゐ》を開くと。 十載重曳杖 十載重ねて杖を曳き、 三歎聊賦詩 三歎聊か詩を賦す。都塵未曾到 都塵未だ曾て到らず、 湛寂無加之 湛寂之に加ふるなし。 脩竹掩徑竝 脩竹|径《みち》....

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また、賈島の作品にも、同種の例が見られる。
劍客
十年
一劍 十年 一劍を

霜 未曾試 霜 未だ曾て試さず
今日把似

君 今日 把りて君に似

[……]
誰爲不 事 誰か不 の事を爲さん

第三句にこ

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誠に不勉強ですみません。

では、「未曾」 の 上記以外の意味と読み方があるのならばその例示をよろしくお願いします。