人は様々な宿業を背負っており、現時の一時の姿だけを見て判断するのは早計かと思われます。
■国中の諸人我が末弟等を軽んずること勿(なか)れ。進んで過去を尋ぬれば八十万億劫(まんのくこう)供養せし大菩薩なり。豈(あに)煕連一恒(きれんいちごう)の者に非ずや。退(しりぞ)いて未来を論ずれば、八十年の布施に超過して五十の功徳を備(そな)ふべし。天子の襁褓(むつき)に纏(まと)はれ大竜の始めて生ぜるが如し。蔑如(べつじょ)すること勿れ蔑如すること勿れ。妙楽の云はく「若し悩乱(のうらん)する者は頭七分に破れ供養すること有らん者は福十号に過ぐ」と。(四信五品抄     建治三年四月初旬  五六歳)
【通解】大聖人様の末弟=大聖人様から正統な血脈をうけられた唯授一人・血脈相承の御歴代上人と、またそこに連なる僧俗を、軽蔑したり、馬鹿にしてはなりませんよ。昔を尋ねたら、仏を長大な年月供養し続けた大菩薩方であり、未来には仏の知恵をもってしても計れないほどの莫大な功徳を備える方々であります。天皇の子供でも、生まれたての赤ちゃんの時は、別に誰とも変わりのない、オムツをして、ビービー泣いているような、普通の、大した者とは思えないようなものでありますが、長じればまさに一国を統治する大王となる如くです。また、いくら、天を駆け巡るような大竜も、生まれたては、ただのトカゲかイモリのようなものですよ。ですから、決して軽蔑しバカにしてはいけない。
もし、そのような方々をいかに振る舞いが情けないからといってバカにし、悩ませ苦しめることがあれば、その誹謗した者は必ず精神病や、脳に関連する病気・事故などに見舞われますよ。